股関節の痛みの種類
自然形体療法での股関節の痛みの種類やメカニズム
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1. 股関節の痛み・正体について
筋肉の緊張により引き起こされる筋肉、靭帯、腱、関節包等の過緊張・癒着・損屈・拘縮

一応施術するに当たって何を根拠に、どうしようとしているのかアウトラインを

ちょっと専門的になりますが説明させていただきます。

実は股関節症の施術理論・施術法については極めて詳細な理論構成がなされています。

研修生向けのものではありませんので、その一部をご紹介します。

話が固くなります。面白くなければ飛ばしてくださって結構です。

 

股関節症の痛みをもたらす大きな原因の一つに、筋肉の過緊張・癒着によってもたらされる痛みがあります。

筋肉の過緊張の他に皮膚組織の損屈や癒着、靭帯や腱、関節包の拘縮なども痛みの原因になっていると考えています。

身体を構成する組織は勝手に過緊張になったり損屈、癒着や拘縮をもたらすわけではありません。

そうなるだけの原因があります。また、過緊張・損屈、癒着、拘縮等は骨格の歪みや捻じれといった問題を引き起こすことにもなります

 股関節が痛いという事実の背景にはどのような原因があるのか?

これを把握しないと施術は始まりません。

ご本人からいろいろお聞きした後、まずは、股関節だけでなく大腿部から膝、足首、足先の向き、角度。骨盤全体(歪み・捻じれ)、脊骨、頸椎にまで検査・確認をします。

股関節は体幹と下肢をつなぐ身体の中で最も大きな関節であり、しかも360度回転するため

痛みの構造も複雑であり、したがって施術法も複雑にならざるを得ません。

 

幸い私たちは正確な検査法を用意しており、それに従い検査していけば異常個所の発見ができるようになっています。

異常があれば正常に戻すこと。

そのための手法が約6000種類用意されています。

その中からどの部位を  どういう順序で  どれらの手法を組み合わせて行えば最も有効か、

最短で効果があるかを確認することから施術がスタートします。

異常を正常に近づける。即ち本来の姿にできるだけ近づけることで痛み軽減・解消に至るわけです。

2. 股関節症のメカニズム 「股関節転位」について

「股関節転位」という言葉は聞きなれていないかもしれませんが、

「股関節が本来あるべき位置から何らかの理由でずれている状態」を意味しています。

 

「股関節転位」を放置すればいずれ大腿骨の骨頭が変形し、股関節に痛みがでるか、

腰痛、鼠頚部痛、膝痛等が引き起こされることにもなりかねません。

その痛みも、「じっとしていても痛い」場合と「動かすと痛い」という場合があります。

私たちはこれを「静止転位(じっとしていても痛い)」と「動作転位(動かすと痛い)」

として区分し理論構成しています。

また筋肉の状態によって違う痛みの種類をで分類して記述(後述)していますので参照してください。

正確に検査しますと多くの人に股関節の転位は存在します。

但し、股関節症と言えるまでにはなっていないだけです。

この違いは例えば結核菌は誰でも体内に持っていますが、それだけで結核とは言わないのと同じ事です。

 

股関節転位は血流を阻害する原因となりそれを放置すれば、いずれ大腿骨の骨頭が変形

又は最悪の場合壊死し、股関節(大転子周辺)に痛みが出るか、

その結果として腰痛、鼠頸部痛、膝痛、下肢痛等が引き起こされるか、

あるいはその予備軍の状態だと考えてい下さい。

 

股関節転位の原因が「学習による股関節転位」か、「過剰防衛反応」によるものかの違いはありますが、多くは痛みを発するほどの転位は、過剰防衛反応である場合が多いです。

3.可動範囲を超えたとき衝撃的な痛みが!私の実感。骨が痛い!

これ以上動かすと痛くなるという可動域があるとしましょう。

その可動域を超えようとした時に、身体を支配している脳はそれ以上いくと痛くなるから、

いかないようにしようと筋肉をいつも緊張させて防御している状態と考えて下さい。

 

この状態のとき、何気なく防衛線を超える動作をしてしまったとき、「ギクッ!!」

と衝撃的な痛みを味わうことになります。

まるで関節そのものが、大腿骨骨頭が壊れたような感覚です。

そして、この痛みは定着して持続することになり、日常生活そのものがその瞬間から苦痛になります。

 

あなたは今までそんな経験ありませんでしたか?

私はこれまで何度もあのいやな「ギクッ!!」を経験しています。

こうなるとその瞬間から、もう私自身の体験では靴下を履けない、

爪を切れない、椅子からすっと立ち上がれない、一歩一歩歩くのも痛い、

など日常的な行動に大いに支障が出ることになります。

動かそうとすると股関節の筋肉を始め周辺組織が異常に緊張していることがわかります。

筋肉の緊張が解除されない限り痛い。

本当に「骨が痛い」と感じます。

実感です。

骨には神経がないから骨が痛いわけではないと知ってはいるのですがそう感じます。

4. 股関節の痛みの感覚と痛みの種類

どこが痛いですかと聞かれれば、股関節のここの骨が痛いと指差し訴えることになります。

ところが繰り返しになりますが、実際は神経のない骨が痛いというわけはありません。

 

私たちは痛みの種類を細分化していますが、その中に収束痛という痛みがあります。

例えば痛みの原因となる場所が、半円や、弧を描いていると、半円や弧の中心に痛みを感じるという現象です。

例えば、頭痛。頭の中心が痛いと感じる時、中心の脳には神経がありませんから、

実際は中心が痛いということはありません。

頭蓋骨を取り巻く筋肉が全体的に痛い時、頭の中心に痛みを感じるという現象になります。

これは股関節痛にも同じことが言えます。

 

つまり股関節痛も収束痛という現象があり、痛みを感じる部分と原因の部分が別だということです。

実際は股関節を取り巻く組織に問題があって痛いものですが、本人の感覚としては、

痛みの収束している中心の骨が痛いように感じるということです。

実際に私も骨が痛いという感覚は実感として味わいます。

5. 身体の痛みの種類は5つに大別、20種類に細分化できる。

私たちが考えている5種類の痛みについて、さらに念のため説明しておきます

 

神経痛   神経への直接の刺激で生じる痛み。傷んでいる部分を押しても痛くない特徴があります。

剥離痛   患部の炎症で周辺の組織が押し広げられて、剥離が生じそれが心臓の拍動でさらに押し広げられるために生じるものです。心臓の拍動と共にズキンズキンと痛みを感じるという特徴があります。

収束痛   これは痛みを末端部分・中心部分に感じるものですが、実際の原因は別のところにあるというものです。

幻 痛    幻痛は例えば脳が過去の痛みの記憶に基づいて、身体を左右同じ状態にしようとうい恒常性を求めて起こす痛みです。

緊張痛   いわば筋肉がつった状態のようなもので、自分の意志と関係なく、身体にぐっと力が入って解けなくなっている状態のものです。5つの痛みの中で最も施術が難しいものです。

 

この5種類が痛みの基本的な分類であり

さらに細かく分ければ20種類の痛みに私たちは分類しています。

 

圧迫神経痛、牽引神経痛、剥離痛、弛緩剥離痛、幻痛、収束痛、逆収束痛、緊張痛、

集合痛、摺合剥離痛、収縮摺合痛、動作転位痛、逆動作転位痛、筋肉の動作転位痛、

損屈痛、損伸痛、間欠剥離痛、不随意緊張痛、痙攣痛、緊張弛緩剥離痛

以上20種類です。

 

痛みは種類が同じでも原因が異なることがあります。

原因が異なれば、適した施術法もまた異なることになります。

原因が20種類以上あれば施術法はそれ以上なければならないことになります。

さらに痛みには程度差も様々な段階があります。

そのすべてを解決するために開発された手法が6000種類あります。

股関節の痛みの部位、痛む動作、痛みの種類を検査確認することから始め、

その人にとって最も効果的な手法をこの中から選定し施術していくのです。

から難しい施術法の一つになります。

 

私自身が股関節症ということで日常的にこの場合はどうしたら痛みがなくなる

か、これはどうかと試してきた蓄積が今大いに役立っています。

経験者だから身をもって試すことができた!

一見災難、不運と思えることもそこか気づき学ぶことがあるんですね。

5. 「股関節症の本質は緊張痛である。」

股関節症と言われるものは、大腿骨骨頭壊死、先天性臼蓋形成不全、変形性股関節症、

無腐性骨頭壊死、等々、医学上の診断・分類はいろいろあります。

 

いずれにしろ股関節症は最終的に全く可動が無くなって終焉を迎えることになります。

この点は関節リューマチ、五十肩とよく似ています。

 

過度の疲労に耐える為に、身体を支配する脳がそうした環境に自分自身の身体

適応させようとする現象の一つだと考えています。

 

なぜならば、そうすることによって筋肉を酷使できなくして、

これ以上悪化させないという目的が達成できるからです。

いわば自己防衛の一つの形です。

 

固定化される過程で筋肉が常時緊張する為に激痛が走り、血管が細くなり栄養補給、

その他の新陳代謝が遅れ骨頭壊死や変形が起きることになります。

これらの痛みは筋肉や周辺組織の痛みであり、骨や変形した部分の痛みではありません。

壊死や変形は結果であって痛みの発生源ではないのです。

 

私たちの施術で股関節の痛みが取れるのはこの事を証明しています。

施術で壊死や変形がその場で治るはずはないからです。

 

 

但し、筋肉や周辺組織の緊張がとれて正常になれば、全部とは言えないまでも

壊死や変形が修復される可能性はあります。

緊張が解消すると血流が回復します。

血流が回復すれば、組織に酸素や栄養補給ができ、老廃物の排出も活発になる。

即ち、新陳代謝が活発になるというわけです。

6. 股関節症の施術 、難しい施術も治癒理論と経験に従い行えば解決する

股関節症については、股関節だけではなく腰椎、骨盤を含めて腰部全体をよく見る必要があり、

腰部を含めて下半身全体の問題だと捉えて施術する必要があります。

 

股関節は上半身と下肢をつなぐ私たちの身体で最も大きな関節です。

骨盤は寛骨(坐骨・腸骨・恥骨)で構成された左右一対の骨の総称です。

寛骨の外側には寛骨臼という大きな窪みがあってその窪みに大腿骨の骨頭がはまり込んで、

それを関節包や靭帯、腱などが支え連結されているという構造になっています。

これが股関節です。

股関節がどこにあるかと言えば太ももの付け根、いわゆる鼠径部に位置します

大腿骨頭と寛骨臼の間には適度な隙間があるので大腿骨はかなり自由に動くことができます。

さらに大腿骨頭の下にある大腿骨頚部と言われるくびれが、他の4足歩行をする動物とは違った、

とても複雑で自由な動きができる構造になっています。

直立歩行をする人間は頭部から尾骨まで脊柱(背骨)でつながっています。

の下方に三角形の形をした仙骨があります。

 

仙骨と脊柱の第5腰椎が接続しているところを腰仙関節といいますが、

この関節が股関節と実は密接な相関関係があります。

同様にとても微妙なズレや歪みでも股関節周辺に痛みをもたらす仙腸関節があります。

実際のところ仙腸関節がずれているかどうか触診してもわかりません。

1~2ミリというとても微妙なずれですから、触ってもわかるはずがありません。

 

しかし、この微妙なずれが痛みを引き起こしていると気付いたのは私が日課と

しているインターバル速歩時に突然腰の横にある大きな筋肉(脊柱起立筋)が

硬くなり股関節周辺が痛み出したときのことです。

とてもこれ以上歩けたものではないという強い痛みです。

大きな痛みです。

ったい何が起こったのかあれこれやってはみるものの痛みは変わりませんでした。

仕方なくなんとか車に戻り家に帰ってあれこれ試しているうちに、

もしかしたらとひらめいたのが仙腸関節のずれという問題でした。

 

「仮説を立ててやってみる」そしていつ誰がやっても同じ結果が出る。

そうなった時、このやり方は「科学された手法」となります。

股関節症は難しいと敬遠する施術家が多いのは、こうした微妙なずれに起因す

る事実の把握の難しさと、解消法がわからないからだと思います。

触っても動かそうとしても異常を見つけられない仙腸関節に起因する股関節の

痛みについて私はよくわかりました。

ずれているかどうか、そのずれはどうすれば解消できるか施術家であり、

股関節症を抱えているという両方を兼ね備えた私だから見つけられたのだと思います。

 

痛みの正体がこれほど微妙なずれや歪みでもたらされるという人体の不思議です。

もちろん原因はこれだけではありません。

たくさんの原因の中の一つにすぎません。

股関節症の施術は難しいと私も思っています。

単純に考えれば、伸ばす+曲げるというシンプルな動きの膝関節と、

常に大きな体重を支えながら360度動かさなければならない股関節はまるで違って当たり前です。

 

長年自分の股関節の痛みと付き合ってきて身に付けた手法は宝物だと思ってい

ます。

宝物だからこそ、真剣に自分で何とかしようと思っている方には、

真剣にお教えし二人三脚でやっていければと思います。

人任せではいけないと思います。

自分のことは自分でやる。

これが原則です。

自分でできるだけの知識も経験もないから一からお教えします。

ずっとずっと私が手を差し伸べることはできません。

いつまでも私に頼るのではなく一人で解決できるよう身に付け実践する。

これが基本だと考えています。

 

やっているうちにわかってきます。自分の身体との対話の中で直感的にわかることが増えてきます。

最初見せていただいてあれこれ検査をし、施術をして特徴を見極めればその人

に合った自己療法体操を組み立てお教えします。

ご自宅でやって頂きます。

理なく、痛みなくできることから始め徐々に付け加えたり外したりして、完成形を

やってみながら作っていきます。

 

自分の体の一番の理解者はご自身です。専門家としてその時の状態を見ながら

必要ななことをお教えしていきます。

インターネットを使い直接指導が可能です。

 

幸い2人の後継者が今では私以上の施術能力・指導力を身に付けてくれましたので、

3人体制(※)でフォローできます。

 

※【余談】3人と言いましても一旦施術現場を離れた私は何とも情けないことに微細な

変化を感じ取る力が衰えているようです。

現状がどうなっているか感じ取る能力と、それをどう直すかという表現力の二つが揃って

いないと一流の施術家とはいえません。

よく大学病院などで偉い老教授の先生に手術してもらうより40代~50代の若さと技術を兼ね備えた

先生の方がいいという話を聞きますが納得です。

私は股関節症経験者としてのアドバイスは二人の先生に負けないと強がり行って自分を慰めています。

7.股関節は360度の回転運動ができる自由関節だから負担が多い

「自由関節」 ・・肩関節と股関節はいずれも回転運動ができます。

可動の大きい自由関節です。

 

骨頭も球形をしていて、ほとんど全方位に可動があります。

可動が大きいために筋肉及び周辺組織に大きな負担がかかります。

この筋肉及び周辺組織への負担が限度を超えると、肩関節は五十肩になり、股関節は股関節症になります。

これ以外の関節は可動が限定的であり、筋肉や周辺組織への負担は自由関節に比べればそれ程ではありません。

 

 

例えば、足関節や膝関節は足を真っ直ぐのばした状態では筋肉にはそれ程の負担はかかりません。

骨格がその重量を負担するからです。

しかし、股関節や肩関節はそうでありません。股関節では直立の姿勢で

大腿骨骨頭と大転子間の大腿頸部はほぼ水平に近くなりますが、

これを維持しているのは筋肉や靭帯などの周辺組織です。

 

下肢以外の全体重を全てここで支えています。自由関節は自由に動く分だけ、

筋肉や周辺組織が骨格の負担分を担わなければなりません。

そして、その結果として、筋肉や周辺組織が過度の緊張、疲労を引き起こすと考えています。

 

以上のような考え方・治癒理論・施術法で今まで施術をしてきました。

施術だけではいつまでも通うことの大変さがあります。簡単に良くならない、

長期化が避けられないという問題です。

そこで自己療法ということになるのですが、施術家のやることを簡単に身に付けることも、

実際に行うこともなかなか難しいです。大きな問題はお教えしたことと、

これでいいと思ってやっておられることが違うということです。

お教えした通りにできないのは単に覚えていない、間違った覚え方をしているのではありません。

股関節の施術に強い刺激はマイナスになります。できるだけ優しく、

ゆっくりとしたリズムで身体の動きを支配している「脳に安心信号」を送り力を抜くと

いうことを伝える技術が必要になります。

 

ところが痛みを抱えているご本人は、ついつい痛みをなくしたいから無意識に

力を入れてしまう、リズムが早くなってしまうという、いわば早く良くなりた

いという本能的な要素によって知らず知らずの内に形が変わってしまうのです

 

このようなことも今まで自己療法を直接お教えしてきましたので、どうしたら

修正できるか基本的なノウハウの蓄積はできていました。

そこに、オンラインということが可能になり一気に可能性が広がりました。

今までと決定的に違うのは、即効性のある手法をお伝えし、きちんとできているか、

痛みが軽減できたかどうか、効果をその場で確認していくということが

画面を見ながら双方向でできるからです。

 

お一人お一人の股関節の施術をして把握した問題点を自分で解決できるよう必要なことをお教えし、

効果を確認して・・というまさしく2人3脚で作り上げていくのがオンライン自己療法です。

最高レベルのオンライン自己療法に是非ご参加ください。お待ちしています。