子供に増える身体の異常!骨折が10年前の1・5倍に

 

 

子供のスポーツ障害の施術現場から見えてくる、子供の身体に忍び寄る異常について

ご報告します。

 

走る。跳ぶ。投げる。どれもスポーツの土台となる力です。

子供の体力や運動能力は昭和60年度をピークに大きく落ちているといいます。

さらに、びっくりするのは、たとえば子供の骨折。

なんと10年前の約1.5倍に増えたということです。

 

「転んでも手を付いて身体を守れない子供が、実に1・5倍にもなった!」

 

これは、衝撃的事実です。

 

上記の厚生労働省や文部科学省が平成24年10月に発表した

体力・運動能力調査は、実に多くの示唆に富んでいます。

 

私たちはこうした調査結果を見るまでもなく年配の方はもちろん、

子供たちに忍び寄る危機的状況を日々実感しています。

 

通学・通勤途中の人々の群れ。

朝から精気のない表情、疲れた表情でため息をついている。

浅く速い呼吸。チック症状。猫背でうつむき加減・・元気のない姿勢。


猫背気味であったり、左右に身体が歪んでいる、捻じれている姿勢が

目立つようになっています。

 

それでは、歪みや捻じれとオスグッド・半月板損傷をはじめとする

スポーツ障害はどういう因果関係があるのでしょうか。

 

歪みや捻じれがあると、膝関節に均等に負荷がかからなくなるということです。

一方の膝に過度に負荷がかかれば、症側の大腿四頭筋や周辺の腱、筋肉

靭帯に悪影響を及ぼします。

その影響が形となって現象化したものが半月板損傷オスグット

変形性膝関節症などの膝疾患であり、その他のスポーツ障害です。

 

私たちは痛みを無くしさえすればそれでいいとは考えていません。

痛みの根底にあるこうした問題点をなくしてこそ、

根本的な施術であると考えています。

 

マイナスの症状を単に無くせばいいという施術ではなく、

スポーツ障害の根底にある体幹の歪みや捻じれを解消し、

正しい姿勢を作るという課題があります。

 

この問題は施術家だけでできるものではありませんし、

子供に注意するだけでは難しい側面があります。

日常生活上の問題を洗い出して、本人とご両親、学校、スポーツ指導者が

協力して取り組むべき問題だと考えます。

40歳以上で8割以上の人が足腰に痛み!なぜ?

厚生労働省の調査によると、介護が必要になる要因の2~3割は

関節疾患や骨折・転倒だという。

ちなみに、過去1年間に転倒した経験を持つ率は全体で14.1%で,

50歳代で最も多かった。

転倒した状況としては、自宅や駅の階段の踏み外し段差でのつまずき

歩行中(の足のもつれ)など、日常のありふれた状況下で多く発生している。

 

別の「骨と関節に関する調査」によると

全国の40歳以上の男女の約8割が、足や腰に痛みを抱えている

という結果が出ています。

 

階段の昇降時(54.1%)

物を持ち上げる時(42.7%)

横になるときや起き上がる時(33.3%)

といった、ごくありふれた日常の作業に80%以上の人が痛みによる

不便を感じているということです。

快適な生活に潜む大きな問題点

 

私たちが暮らす現代社会は、利便性を追求し、不快を避け快適を求め続けた結果、

様々な弊害が具体的な形となって目の前に現れています。

 

地球環境の悪化は天変地異として現象化しています。

 

医学が進歩したといっても病人が増え続け、次々難病奇病が蔓延するのも

根源は、快適さを求めすぎ自然の法則から遠ざかった生活の

結果といえるのではないでしょうか。

 

例えば、子供たちに猫背姿勢、歪み、捻じれがなぜ多くなったのかを考える時、

イスとベッドの生活というものが思い当ります。

 

 

正座のすすめ

 

日本人には日本の風土に根差した文化や伝統があり、

その中で長い時間をかけて形成されてきた生活習慣と体型があります。

長い歴史の中で定着してきた、日本人にとって一番自然な座位、それは正座です。

 

近年、生活習慣の急速な欧米化で、正座をする機会が減ってしまいました。

このことが、体に様々な問題を引き起こしているのではないでしょうか?

 

振り返ると、私たちの子供時代、食事は家族そろって飯台を前に正座していました。

背中を丸めて食べていると「行儀が悪い!」と叱られたものでした。


背筋がぴんと伸びた美しい姿。「躾」という言葉の由来でしょうか。 

今になって振り返ってみると「行儀が悪い!」という日々の親の叱責、

行儀作法、「躾」が、丈夫で美しい身体を作ってくれていたのです。

 

正座は、正しい姿勢を整え維持するために必要な起立筋を鍛える筋トレとして、

さらに下腿の筋肉の理想的なストレッチになっています。

 

正しい姿勢を維持する筋肉は遅筋であり、

遅筋は正しい姿勢を維持することで強くなる性質を持っています。

 

例えば、日本古来の「」。

茶道・華道・書道・・・。背筋をピンと伸ばした美しい姿勢をしています。

 

長時間正しい姿勢で座り続けることで、

美しい正座姿勢を支える遅筋が鍛えられます。

 

姿勢が整うと気持ちもしゃんとします。

 

 

正しい生理湾曲ができているか

 

本来、背中の湾曲は、正しい立位姿勢正座姿勢になると

ちょうどバランスが取れるようになっています。

 

正しい正座が自然にできているとき背骨は自然なS字になっています。

この姿勢だと余分なエネルギーを使わずにすみます。


正座と言うと、きつい、大変、イヤだァ、という声が聞こえてきます。

 

だけど実際は大違いです。自然な座り方を知らないだけです。

自然な背骨の湾曲、生理湾曲ができていない。

 

 

親から子への最後の贈り物

 

正しい正座姿勢は、子供の頃から身に付くよう心がけ

習慣することがとても大切だと実感しています。

 

その根拠の一つは、オスグッドや半月板損傷など膝を痛めて来院される

子どもの中に、剣道や柔道をしている子どもがほとんどいないからです。

練習や試合を見ている間、彼らは正座姿勢です。

 

正しい姿勢は体はもちろん、精神的にも、性格形成にも非常に大きな影響を与えます。

 

施術に来る目的は、痛みを無くしたい、思い切り走れるようになりたい。

思い切りボールを蹴りたい。それはよくわかります。

 

ただ、なぜそうなったのか。

偶然にそうなったのではありません。

痛くなった原因、故障した原因が必ずあるはずです。

 

痛みは体が発する赤信号です。

赤信号が出た時は、いったん立ち止まること。

そして、根本原因を見つけて解消することが何より大切です。

 

成長期は、体の歪みや捻じれを解消して、

正しい姿勢を定着させる最後のチャンスと言えます。

 


なぜなら、歪んだまま成長してしまうということは、

問題を大人に持ち越すことになってしまうからです。

 

つまり、身体の歪みから派生する多くの問題を抱えながら

生活を続けていくことになります。

 

骨盤や背骨が歪み、捻じれている。

生理彎曲が崩れている。

 

痛みをもたらした根底にあるこの問題をどうしていくのか?

自分で自分の身体を正しく管理する、

今まで作ってきた歪みや捻じれを自分で解消すること、

正しい手入れ法を覚えてことがとても大切なのです。

 

 

私たちはそのためのお手伝いを全力でさせていただきます。

 

 

姿勢とは「勢」いのある「姿」

 

無理のない美しい自然な姿勢。元気を感じます。

 

私はよく「笑い」に例えてお話をすることがあります。

「アハハ」で行きましょうと。明るく、晴れ晴れ、はっきりと。

対極にあるのは、「イヒヒ」です。陰険、ひねくれ、否定的。

 

「アハハ」は姿勢がいいことが条件になります。

試しに猫背姿勢で大きく息を吸ってみてください。

どうですか? 思い切り吸えますか?

猫背姿勢では肺活量が大きく落ち込みます。

 

大きく吸っているから、「アハハ」と思い切り息が吐ける。

猫背姿勢、前かがみ気味の姿勢ですと、大きい呼吸ができなくて、

ついつい「イヒヒ」になってしまう。

 

私は今、「立腰教育」という視点が必要な時代に入っていると実感しています。

 

何時しか日本の家庭から畳の部屋が少なくなり、子供の食事もイスとテーブル。

しかも、テレビを見ながら・・・という家庭も多い。

 

欧米人のように、小さい頃から椅子の座り方のしつけを受けていない。

背中を丸めて、テレビの方に身体をねじって食事をしている。

これで身体が歪まないわけがありません。

 

そういう家庭環境で育った子供たちは、ふだん正座をする習慣がないので

静止した、心身の安定した時間を過ごすことが苦手になっています。

 

落ち着きがない。なんとなくうつむき加減で元気出ない・・・。

そう感じることはありませんか?

 

正座が体にいいのはわかっているけど、なかなか続かない・・・。

 

それは、自然に正座ができる方法、自然に背すじを

伸ばす方法を知らないからです。

 

姿勢とは「勢」いのある「姿」と書きます。


自然で勢いのある姿、「正しい姿勢」の作り方を

この機会にぜひ覚えていただきたいのです。

 

正しい姿勢の作り方を習得された皆さんは、

一様に驚かれます。


「えっ?? こ姿勢の方が楽!」

「背筋が知らない間にピンとなっている!」

「背中が伸びた感じがする!」

「何だか元気が出てくる!」

「体がスッキリとする!」

 

多くの方が述べる感想です。

きちんと正しい姿勢を取ると、実は体は楽になるのです。

 

スポーツ障害の再発防止、骨格の歪みをなくすこと。

そして、正しい姿勢をつくること。 

私たちが自己療法を通してお教えする大切なポイントの一つです。

 

日常的に正座をしている人の方が足腰が強い

 

ベットやソファー、テーブルと椅子の生活。

便利になった私たちの生活環境ですが、さてまわりを見渡してみると

真の健康体作りに欠けているものが沢山見えてきます。


昔の日本の家では当たり前だった、畳や床での生活。

畳や床での生活をしていれば、移動する時にはまず足腰に力を入れて

立ち上がらなくてはなりません。

日本人は子供のころからその動作を1日に何十回も繰り返していたのです。

とくに意識することもなく、自然に足腰が丈夫になったことでしょう。

 

低い姿勢から立ち上がることで、踏ん張りのきく身体を作っていました。

逆に言えば、倒れそうになっても体の踏ん張りがきくから

転倒して骨折という事は少なかったのです。

 

和式トイレから洋式トイレへという変化も同様の結果をもたらしました。

 

「欧米人に比べて日本人は、転倒による骨折が少ない」

というかつての統計的事実は、残念ながらなくなりつつあります。

 

寝たきり老人の増加という現象の背景にも同じことが言えます。


子供だけでなく何歳になっても、畳や床に座る生活を心がけたほうが

いいと思います。

 

この問題をもっと遡れば、赤ちゃんのときのハイハイの期間が

短くなり、すぐに掴まり立ちをして歩き始める。

 

これは決していいことではありません。

私も孫が4人いて、掴まり立をするとついつい嬉しくなって、

できたできたと拍手したことがありますが、

これは遅い方がいいのです。

 

動物は丸い胸郭を持っていますが、ハイハイの期間の短さの影響なのか、

今の子供たちには、平らで薄っぺらい胸郭が目立ちます。

 

肺と心臓。命の根源を司る臓器が入っている胸郭が薄く平らだと

十分な運動領域が確保できません。

必然的に働きは悪くなるのです。

 

胸郭が丸い子は元気です。

逞しい生命力が感じられます。

スタミナがあります。

そうなるか、ならないかは、幼児期の生活環境が大きく影響しています。

 

畳の生活なら掴まるものが少ないのですが、

今は狭い部屋のどこにもすぐに掴まれるものがある。

リビングにテーブルやソファーなどが置かれている

現在の住宅事情も影響しているでしょう。

 

過去は変えられませんが、今からそれを変えていく方法を講じることが大切です。

決して手遅れではありません。

 

今からでも胸郭を作り変えることは可能です。

ぜひ、私どもにお任せください。

自分の体を自分で変えていく、その方法を一つ一つお教えするのが

私たち専門家の役目です。

 

勇気をもって一歩を踏み出してくだされば

その先にあるのは、痛みのない真の健康体です。