㊧初診時の仰臥姿勢。身体が全体に ㊨施術後の姿勢。筋肉の緊張が取れ
逆「く」の字になっています。 真っすぐな身体に。この寝姿ですと
睡眠の質もよく、目覚めもよくなります。このこの子はちょっと極端な例ですが
多くの子供に見られる姿です。
猫背姿勢が多いのが気がかりです。姿勢についてきちんとお教えしないと
多くの問題が出てきます。ただ、注意するだけではいい姿勢になりません。
いい姿勢を作り維持できる、体つくりから始める必要があると痛感しています。
「姿勢」とは「姿」に「勢い」と書きます。本当に勢いが出てきます。
正しい姿勢の作り方をきちんと教えて、あとは習慣化することです。本人だけでなく家族ぐるみで「正しい姿勢」をテーマにして下さい。
背中が曲がっている!ちゃんと正しい姿勢になりなさい。
一時的にシャンとしても持続しません。すぐに元の猫背姿勢に戻ってしまいます。
うちの子はいくら注意してもダメなんですというお母さんの嘆きは
珍しくありません。
正しい姿勢を作る+それを維持する。この二つを実現するためには
条件があります。
条件とは「生理彎曲」を作ることと正しい姿勢を維持するための筋肉
「遅筋」を鍛えることです。
人間の身体は仙椎(1)腰椎(5)胸椎(12)頸椎(7)の骨で背骨を形成しています。
この骨を横から見るとS字状になっています。これを生理弯曲と言っています。
S字状の生理彎曲がきちんと形成されていることが正しい姿勢の条件の一つです。
生理彎曲があるから楽に立っていられるのです。
残念ながら今の子供たち、この生理彎曲がなくなっている子が多いです。
例えば頸椎の湾曲がないのがストレートネックです。
いわゆるストレートネックとは首の骨の前カーブ・前弯がなくなった状態です。
ストレートネックでは頭の重さで首が前に引っ張られます。
その結果、常に首や肩が緊張します。緊張は血流を悪くします。
頭への血流が悪くなると貧血状態になり倒れるという結果をもたらします。
長く立っていられない。倒れる。疲れやすい。長持ちしない。元気がない。
頭痛や肩こりにもつながります。
この場合、頚椎の正しい彎曲を取り戻す施術をして、彎曲を維持するための手入れ法を指導します。
いわゆる猫背とは、胸の骨の後ろカーブが強くなった状態。即ち、胸椎の後弯が強くなった状態のことを猫背といいます。
胸椎の後湾が強いということは胸(胸郭)が圧迫される状態です。
胸郭の中には生命を維持するために大切な心臓と肺があります。
ここが圧迫されますと心臓や肺の運動領域が制限されるということになります。
思い切り息を吸いたいのに吸えない。心臓が十分に血液を送り出せない。
猫背の人が、勢いがない、元気ないのはこうした構造があるからだと思います
がいかがでしょうか。
もう一つ、S字の生理湾曲が果たす大きな役割の一つにクッション機能があります。
例えばジャンプして着地、こういう時の衝撃をS字の生理湾曲が吸収してくれています。
そのお蔭で身体全体の営みを指揮してくれている大切な脳に衝撃が伝わらないのです。
生理彎曲の大切な役割ご理解いただけましたか。
このページのテーマである正しい姿勢=猫背を治すにはやはり
正しい生理彎曲を取り戻すことです。
背骨のメカニズムがここに書いた程度ご理解いただければ、S字=生理彎曲を取り戻す方法は
お父さん、お母さんが身に付けていただくことができます。お教えします。
そして最後にもう一つの条件。姿勢を支える筋肉についてです。
筋肉には速筋と遅筋があります。姿勢を支えるのは遅筋です。
速筋はジャンプとか短距離走に使う筋肉です。この筋肉を鍛えるには
少ない回数でより高い負荷をかけることで鍛えます。
これに対して、遅筋は長い時間、低い負荷をかけることで作られていきます。
即ち、正しい姿勢は正しい姿勢を長時間続けることで、それを維持する筋肉
が鍛えられるというわけです。一朝一夕にはできないということです。
子供のころから、毎日毎日正しい姿勢を維持する習慣の中で正しい姿勢が定着していくのです。少なくとも一日3回のお食事はきちんと正座していただくこと。
お食事は正しい姿勢で頂きましょうという躾=「身」「美」が、姿勢=「姿」「勢」
を作っていきます。
親が最愛の子供に残してあげられる大切な、大切なプレゼントです。